メンタルヘルス

 

 秋のお彼岸も過ぎ、ようやく過ごしやすい季節になりました。お出掛けするにはもってこいの季節…ですがコロナに気を付けてが前提ですね。今年はコロナや猛暑で思うようにお出掛け出来なかった方も

多いと思います。家にこもり、人と話す機会がなくなった方も多いです。色々と不安な世の中です。

 

 不安と言えば、今年に入っていわゆる芸能人の自殺が目立っていますよね。

 芸能人という事で、大きくニュースになっており、何故あの人が?的な報道がされていますが、そもそも日本は自殺者が多い国です。

 残念ながら、日本の自殺死亡率は、G7のなかでワーストです。厚生労働省の人口動態統計によれば、長らく10代~30代の若者における死因の1位が自殺であり、40代でも2位、50代前半でも3位に入っています。 どうして日本はここまで自殺者数が多いのか。それには2つの理由が考えられるそうです。

 

 1つは、日本人の国民性が関係しているようです。恥の文化や切腹文化は日本人の深層心理に影響を与え、「ひと様の厄介にはなれない」「潔く死ぬ」「死んでお詫びをする」といった価値観がいまなお存在するそうです。日本人は自分に厳しい!

 

 2つめの原因は、日本における、「精神疾患の認識」の低さです。心に「不調や病気」が存在すること、あるいは具体的にどのような兆候や症状が現れるのかが知られていない。その結果、職場においてストレスが高じ、心身の不調をきたしても、周囲から「メンタルが弱い」「仕事ができない人」とレッテルを貼られてしまう。そのため、上司にも相談ができず、ぎりぎりまで耐えようとした結果、本当にメンタルヘルス(心の健康)がダウンしてしまい、精神疾患を発症してしまう。

 

 日本には、精神疾患に対する偏見が根強く存在するため、不調が強まっても早期の受診に至らず、そのことを本人も周囲も話題にできない。他国のデータをみると、メンタルヘルスの重要性が認識され、その意識が根付いている国ほど自殺が低減しているそうです。北欧諸国はかつて、高自殺率国であったようですが、1980年代から直線的に自殺が減少していて、そこには着実なメンタルへルス対策があるそうです。

 

 日本人は自分に厳しい分、人にも厳しくなりがちです。悩んでいる人が、苦しい!助けて!と言えて、それを理解してあげられる日本の社会に変えなければ自殺は減らないです。壊れてしまった心を、どこかのタイミングで他者からの支援やケアが入れば、自殺に傾いていく状況から少しでも救出されるかと思います。

 

 体のケガのように見た目では分からない「心の病気」というものに、日本がもう少し優しくなるといいのかなと感じますね。